部屋の本棚をIKEAのBillyにした話

今の部屋には、引っ越す前から育てている無印のパルプボードボックスを利用した本棚があるのだけど、じわじわと紙の本が増えて、そろそろ本が溢れるようになってきた。このままパルプボードを増設していってもよかったが、この製品は仕様上は5段までしか重ねられず、壁の上部が有効利用できない問題があったため、ここはひとつ背の高い本棚を導入し、本棚の設置面積を圧縮して部屋をより広く使うことにした。ゆくゆくはソファを置くなどもしたい。

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before: 無印のパルプボードボックス

本棚選び

我が家の本棚としての要件は、大判の美術書から文庫版の漫画まで、効率よく収納するために可動棚をもつことと、スッキリしたデザインであることだったが、デザインについて納得できるものがなかなか見つからず、本棚選びは難航していた。

無印のパルプボードボックスがそうであったように、ぼんやりした曲線を排したソリッドなかたちの本棚が欲しかったし、色に関しては、部屋がドアや木枠を含めて白で統一されていたので、本棚も白というのは心に決めていた。その点で、入手しやすい定番商品である 大洋のエースラック も、白井産業のタナリオも選択できなかった。エースラックはなんかちょっとカーブが入っていたのがどうしても許せなかったのと、タナリオのホワイトはうっすら木目が入っており、展示店舗が近くにないために実際の見栄えを確認することができなかったためだ。

このあたりでKEAの定番書棚Billyに行き着いた。

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Billyはまさに上に挙げた要件を満たす理想の本棚だったが、購入に踏み切れない問題として、「たわみ」問題があった。どうも調べてみると、買おうと思っていた幅80cmのBillyは本を目一杯に収納していると、かなりの高確率で棚がたわんでくるらしかった。

たわむのはかなり見栄えが悪いので躊躇したが、結局80cm幅のBillyを諦め、40cm幅のBillyを連結することで回避することにした。40cmのBillyでは、さすがにたわみの報告は見られなかったためである。結果的に、40cm*3のマス目デザインは見た目にも良いものであった。

もう一つの問題として、転倒対策があった。Billyはかなりの重量があるので、倒れてくるとマジで危ない。IKEAの本棚は日本の家具と違い、重心が手前側に来るので、L字金具による壁固定など、転倒防止をしないと危険だとIKEAの店員に教えてもらった(どの家具でも何らかの対策は必要なのだが)。

しかし部屋は賃貸なので壁への釘打ちは躊躇われる。どうしたものかとネットを検索していたら、家具転倒防止おじさんこと篠原進さんが考案した対向くさびという転倒対策が目に入った。書棚と天井の間に楔状に組み合わせたスタイロフォームを詰め、震災時に転倒する方向への力を抑えるというものだった。これと、一般的な転倒防止シートを組み合わせて転倒防止策とすることに決めた。

家具転倒防止―経験交流サイト

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設置

というわけでIKEAオンラインストアで40cm幅のBillyを3台と追加棚を注文。工作精度への期待と横連結のため、組み立てサービスを依頼した。連結は別料金3000円でやってくれる。配送と組み立ては異なる業者により行われるので、配送から組み立てまでの間、届いた部材を部屋に置いておく必要がある。

設置されたBilly。連結されているため、この時点で一人では持ち上げるのが難しいほど重い。しかしなんとか頑張って足元にふんばる君120をはさんである。Billyは両側面に出っ張りがあるため、適宜カットして挟んだ。

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組み立てが完了したBilly

ニトムズ 家具転倒防止安定板 ふんばる君 120 M6090

ニトムズ 家具転倒防止安定板 ふんばる君 120 M6090

連結は、使わない棚穴にビスを通して行われる。IKEAの家具は一度分解すると再組み立てが難しいため引っ越し業者に敬遠されるといわれるが、ビスは簡単に外して再連結できるそうなので、引っ越しの際は横連結を解除すれば問題なさそうである。

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連結ビス

対向くさびを作ろう

さて、篠原式のスタイロフォーム対向くさびを作成する。東急ハンズで21cmx10cmx6cmの白のスタイロフォームレンガ、ノンスリップシート、発泡スチロールカッターを購入。レンガ一つで2つのくさびを作れる。(6つ作ろうと思ってレンガを3つ購入したが、強度的に2つで充分ですよだったので、レンガは余った。)

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素材

棚から天井の梁まで高さ7.5cm。奥行き10cmのスタイロフォームに勾配1/10の斜面を作るため、1cmの高低差で線を引く。

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罫書き

スタイロフォームの上下にノンスリップシートをあわせ、(霧吹きがなかったため)クッキングペーパーで水を含ませ…

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ノンスリップシートに挟まれたスタイロフォーム

ハンマーで押し込む。なんかちょっと角の壁紙が裂けてしまった気がするが、気にしない。これで完成である。ふんばる君を敷いて本を収納した時点で、重みからそこそこ安定はしていたが、対向くさびを追加することで本当に押しても引いてもビクともしない、まるでL字金具で壁に固定されているかのような頑丈さになった。これはすごい。

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対向くさび完成

パルプボードボックスから本を移して完成(写真は対向くさび設置とパルプボードボックスの撤去の前)。初期よりだいぶ設置面積がおさえられたし、部屋にもよく馴染んでおり満足。ただ、新しい本棚の容量をすでにほぼ使い切っており、写真にもあるように本などが少し入りきっていない。これとは別に映画のパンフレットの束も本当は本棚にしまいたかったし、会社に置いてあるダンボール一箱分の技術書もいつかは持ち帰ってこないといけないので、Billyがもう一台必要かもしれない。しかし既に述べたように3台連結済みのBillyは絶望的に重く、場所の微調整などできればしたくないので迷うところだ。しばらくは完全移行せず、パルプボードボックスを一部残して運用するかもしれない。本棚沼はこわい。

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After: IKEA Billy 40cm x 3